世界で自然葬が人気
欧米の自然葬
欧米の自然葬の特徴は “自分らしさ” に重点を置いている点です。 これはCO2の削減、農薬の使用中止、土葬ガイドなど、樹木葬墓地の認定基準からも伺えます。この墓地認定基準は、墓地だけでなく、葬儀に使用する棺・骨壺・装束・死体処理方法を限定しています。
つまり、葬儀(自然葬儀)から埋葬(自然墓)まで一貫して自然保護を考えていることです。
非営利団体が、自然葬 (Natural BurialやGreen Burual)の具体的な自然葬儀からの基準化をスタートしています。 イギリスの自然墓地協会が1994年に設立され、自然葬のガイドが作成されて300以上の自然葬霊園が出来ました。アメリカでは、Green Burial Council(GBC)が2005年に設立され、自然葬の基準を認定制度として確立しました。現在までに自然葬が認定されている葬儀社・樹木葬霊園・製品会社は325社にのぼります。
※ 米国では、樹木葬霊園で自然葬儀の基準を満たしていない遺骨や遺体を引き取らない協会ガイドラインが有ります。環境保護を貫く姿勢を実践している霊園が多くあります。
ガイドライン概要
天然資源の保護: シンプルな棺・骨壺・装束を使用します
火葬による炭素排出量の削減: CO2を含めた水銀を空気と水に放出し、窒素酸化物・ダイオキシン・粒子状物質の副産物の生成を最小化します (通常の火葬によるCO2排出量は年間79万トン、使用される防腐剤からも有害物質が排出されている)
環境への負担軽減: 樹木葬園は、除草剤、農薬肥料の使用を中止し、持続可能な土地管理の実践を奨励しています
日本の自然葬
故人を自然に還すという葬送の形は、古来から様々な風習・形式のもとに世界中で行われていました。日本においても、里山や河川に還す自然葬が行われていましたが、石塔や墓標を建てることが伝統として受け継がれ、墓の常識が形作られていきました。
人気の3つの理由
日本の自然墓(散骨・樹木葬)の特徴は、①省スペース ②低コスト ③非承継の3つと言われます。
特に、国内では樹木葬の人気は高く、新しくお墓を購入する人の40%程度の方が選びます。(欧米:2〜3%) 欧米のお墓と違い、日本のお墓は、年間管理費や永代供養費用などが継続的に必要であるため「お墓の承継で子供に迷惑をかけない」「おひとりさま」「子供のいない夫婦」の ③非継承というニーズに合っています。
葬儀からではなく、埋葬方法(樹木葬や散骨)を選ぶのが一般的な日本の自然葬でした。しかし、最近では「自然葬とデジタル化の一式葬儀サービス」を欧米のようにワンストップ提供する葬儀社もあります。
自然葬一式葬儀サービス
このような新しい欧米型サービスにも下記のメリットがあります。今後は、①省スペース ②低コストも加わりより自然葬が普及すると考えられます。
- 自然に還る:葬儀やお別れ会では自然葬儀とし「自然に還る想い」を後世に伝えることができる
- 自分のお墓:生前や終活の際に、多様化する自然墓(海洋散骨、空中散骨、宇宙散骨、庭園樹木葬、里山、公園樹木葬など)を選びます。必要な管理費・永代供養費用などの負担を残さない
- シンプルで低コスト:葬送全体を適正価格で事前に予算に合わせたプランが可能、葬儀=お墓=供養まで連絡先がワンストップでシンプルです
自然葬に必要なこと
樹木葬霊園や散骨業者は、営利だけを目的に行うと海洋・森林破壊の恐れがあり、自然葬の目的である「環境を守る」に寄与できません。今後ますます増える自然墓に環境準拠基準が自主的に設けられるとともに埋葬法などの法的な整備も進むことが自然葬に求められています。
わたしたち自然葬を選ぶ側も、生まれ育った豊かな自然に感謝し『未来の環境の為に何かする』という行動を起こすきっかけを作るのが自然葬の役割です。