承継
この追悼サイトは、江戸時代の偉人 貝原 益軒さんに学ぶ目的で作成されました。
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本名:貝原 益軒(かいばら えきけん)
戒名:巍徳院繹幸覚忠信太山居士
墓地:福岡市・金竜寺墓地 日本


江戸時代本草学者、儒学者。 50年間に多くの著述を残し、経学、医学、民俗、歴史、地理、教育などの分野で先駆者的業績を挙げた。

筑前国(現在の福岡県福岡藩士、黒田藩の祐筆であった貝原寛斎の五男として生まれる。名は篤信、字は子誠、号は柔斎、損軒(晩年に益軒)、通称は久兵衛。

1648年慶安元年)、18歳で福岡藩に仕えたが、1650年(慶安3年)、2代藩主黒田忠之の怒りに触れ、7年間の浪人生活を送ることとなる。1656年明暦2年)27歳、3代藩主光之に許され、藩医として帰藩[。翌年、藩費による京都留学で本草学や朱子学等を学ぶ
藩命により『黒田家譜』を編纂。また、益軒の上申から黒田藩が1688年元禄元年)に『筑前国続風土記』の編纂を認めている。

1699年、70歳で役を退き著述業に専念。著書は1712年(正徳2年)に上梓した養生訓を始め、生涯に60部270余巻に及ぶ。退役後も藩内を隈なく巡検して『筑前国続風土記』の編纂を続け、1703年(元禄16年)に藩主に献上している。

本草書[編集]
  • 『花譜』- 1694年(元禄7年)
  • 『菜譜』- 1704年(宝永元年)
  • 大和本草』- 1709年(宝永6年)刊行、和装本
教育書[編集]紀行文[編集]身体が弱かったからこそ養生に努めた貝原益軒
まずは何より「心の養生」が大切
貝原益軒の晩年に学ぶ、人生100年時代の老後
養生の道
  • 怒りや心配事を減らして心を穏やかに保つ
  • 元気であることが生きる活力になるのでいつも元気でいる
  • 食事は食べ過ぎず、毎日、自分に合った適度な運動をするのがよい
  • 生活の中で自分の決まり事をつくり、よくないことは避ける
  • 病気になってから治療するのではなく、病気にならない努力をする
  • 何事もほどほどにし、調和のとれた生活を送る
  • お金がある、ないに関係なく、自分なりの楽しみを持って生活する
  • 養生のための生活を習慣化することが大切
  • 呼吸はゆっくり行い、たまに大きく息を吸い込む
  • 夜更かしはしない、だらだらと寝すぎない
  • 身のまわりを清潔に保つ
食生活
  • 食事は温かいうちに食べる
  • 胃腸が悪い時は水を多めにして炊くなど、体調に合わせてご飯を炊く
  • 食事は薄味にし、濃い味のものや脂っこいものは食べ過ぎない
  • 冷たいもの、生もの、堅いものは避ける
  • いろいろな味のものをバランスよく食べる
  • 食べ物への感謝の気持ちを忘れずに食事する
  • 夕食は朝食よりも少なめにする
  • 食欲を抑える、食欲に勝てる精神力を持つことが大切
  • 前にとった食事が消化してから次の食事をとる
  • 大きな魚や鳥や魚の皮など消化しにくいものは避ける
  • 食後はじっと座るのではなく、自分に合った軽い運動を行う
  • 酒は少しにして呑みすぎない
  • 塩分の少ない食事をとる
  • 煙草は毒であり、習慣化すればやめにくくなる
性生活
  • 食欲と性欲は人間の欲の中でも強い欲だが、若いときから自制しなければならない
住まい
  • 適度な明るさの部屋で過ごし、薄暗い陰気な部屋に長時間いないようにする
睡眠
  • 夜寝るときは横向きで寝るのがよい。仰向けになると気分が悪くなってうなされる。胸の上に手を置くと悪夢をみる
排泄
  • 大便、小便は我慢せずに早く済ませる
薬の服用
  • 長生きの薬はない。生まれ持った寿命を全うする
  • 毒にあたって薬を飲むときは冷水がよい。熱湯は毒の力を活発にする
高齢者の過ごし方
  • 心を鎮めて日々を楽しみ、怒ることと欲を制する
  • 無理をしないようにする
養生訓からの学び 養生訓に書かれていることは、バランスのとれた食事と適度の運動、良質な睡眠、そしてストレスは避けて心を穏やかに保ち、楽しみを持って元気に過ごすという、現代の生活習慣病の予防や治療で大切とされることが全て網羅されていると感じます。食事も暮らしも質素であった時代から、欲を制して控えめな生活をすることが健康長寿につながると説かれており、江戸時代よりも格段に物が豊富にそろう現代では、どれだけ自分を制し、欲動※2をコントロールして生きていくかが健康のために大切なことといえるのではないでしょうか。
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軌跡

人生史ダイジェスト版 ー1分でわかる

江戸時代の儒学者、本草学者である貝原益軒は寛永7(1630)年から正徳4(1714)年まで85年の生涯でした。つまり益軒は、徳川家光・家綱・綱吉・家宣・家継という時代を生き抜いた人です。

人生史は、残した言葉から読み取ることができます。
怒ったあと食事してはいけない。心配事をしながら食べてはいけない。食べてからあと心配してはいけない。

口をきくのを慎んで、無用の言葉を省いて口数を少なくすることだ。たくさんの口をきくと、かならず気がへり、また気がのぼりもするので、ひどく元気を傷つける。口をきくのを慎むのも、また徳を養い、体を養う道である。

心は楽しませねばならぬ。苦しめてはいけない。からだは骨折らせねばならぬ。休ませすぎてはいけない。

『論語』に「若き時は血気方に壮なり。これを戒むること色に在り」とある。年の若い時から男女の欲ふかくして、精気を多くへらした人は短命である。

年をとってから後は、一日をもって十日として日々楽しむがよい。つねに日を惜しんで一日もむだに暮らしてはいけない。餓えて死んでも、死ぬ時までは楽しんで過ごすがよい。
喜怒哀楽愛悪欲の七情のうち怒と欲との二つが、もっとも徳を傷つけ、生をそこなう。人の心を溺れさせ、元気をへらすのは欲である


報告

江戸時代のベストセラー『養生訓』

㈱スマートシニアさんが2023年3月25日に投稿
今や人生100年とされる時代ですが、わずか300年前、江戸時代の日本人の平均寿命はその半分にも満たなかったといわれています。
いわば人生50年時代。そんな“短命社会”にあって84歳まで生き、晩年に著作を連発するなど精力的に活動したのが儒学者の貝原益軒(かいばらえきけん)。亡くなる前年、83歳の頃にはその健康長寿の心得を著した『養生訓』を出版し、当時のベストセラーに。今も現代語版や解説書が繰り返し出るなど、世代を超えて読み継がれています。
まずは何より「心の養生」が大切

養生訓には食欲、色欲を慎み、運動、栄養、休息を過不足なく生活すること、かかる医者を吟味すること、薬と効能と害など具体的な養生の指南が記されていますが、なかでも最も大事なのは「心の整理」であると言います。

“養生の術は、まず心法をよく慎んで守らなければ行われないものだ。心を静かにして落ちつけ、怒りをおさえて欲を少なくし、いつも楽しんで心配をしない。これが養生の術であって、心を守る道でもある。心法を守らなければ養生の術は行われないものだ。それゆえに、心を養い身体を養う工夫は別なことではなく、一つの術である”

“心を平静にして徳を養う 心を平静にし、気をなごやかにし、言葉を少なくして静をたもつことは、徳を養うとともに身体を養うことにもなる。その方法は同じなのである。口数多くお喋べりであること、心が動揺し気が荒くなることは、徳をそこない、身体をそこなう。その害をなす点では同様なのである”