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皆様へ ご弔問への御礼
先日はご多忙のところご弔問くださり、誠にありがとうございました。おかげさまで無事に葬儀をすませることができました。改めてみなさまへ心よりお礼申し上げます。
私たちが愛したチョン・ビョンホが天に召されました。
彼の好奇心に満ちた目、明るい笑顔、優しく広いこころ、そしてより良い社会のために行動する力を、皆様もよくご存じだと思います。彼は何よりも人を愛し、生の美しさを賛美し、一瞬一瞬を楽しみ、そして周りの人々の幸せを願い、ともに幸せを分かち合いながら生涯を過ごしてまいりました。また彼は教え子や後輩たちをとても大切に思いました。彼らと共に研究し、活動し、そして遊ぶことを本当に楽しんでいました。このような生き方を心ゆくまで全ういたしました。学生たちのために推薦書を書く際、その一枚一枚に全身全霊を込め、夜を徹して書き上げていた彼の姿が今も思い浮かびます。
数年前から、朝焼けを眺めながらお茶を飲んだり、庭に花を植えたりしている時に、「私たちの人生はとても幸せだった。もう思い残すこともないね。これでいつ逝っても自然死と言えるね。そうだよね!」と笑いあうことがありました。体調が良くないことを知ってから2か月という短い時間でしたが、私たちはお互い伝えておくべき言葉を交わし、心を整理することができました。
多くの方々からお心遣いいただき、ありがとうございます。私にはこのすべてがまだ現実とは思えず、信じられないのが正直な気持ちです。当分の間は、彼が玄関のドアを開けて家に帰ってくるのを待ちながら泣いてしまうこともあるでしょう。しかし、どちらかがいつか経験しなければならない悲しみならば、彼をその悲しみから解放し、代わりに私がそれを引き受けたことを幸運に思います。彼に心配させないよう笑顔を取り戻し、元気に過ごしてまいります。
美しい人、チョン・ビョンホを愛し、彼の旅立ちをあたたかい心で満たし、今も彼を心に留めてくださるすべての方々に心より感謝申し上げます。
2024年12月
チョン・ジンギョン 拝
思い出
いつから親しくお付き合いさせて頂いたのか思い出せませんが、知的で親しみのある方でした。ソウルに行った時も親切に接していただいたことが思い出されます。9月に朱鞠内であった「笹の墓標強制労働博物館」の完成式にご一緒し、数日間一緒に寝泊まりもしました。
ごく最近は私が主たる責任を負っている在日総合誌『抗路』にご寄稿くださったことで色々と連絡を取り合っていました。12号、最終号の特集・在日にとって境界とは、の冒頭の論考で、「希望と連帯を求めて 強制労働者の記憶と帰還」と題するものでした。笹の墓標運動の歴史とそれに関わったご自身の軌跡を綴った記念碑的論考です。文章を少し削っていただけないかとご無理をお願いしたりもしました。そして12月12日に刊行されますとお伝えしたところ、「感謝します。しっかりと読んでみます」とのご返事をいただきました。11月16日のことです。本当に遺稿とも言えるご労作ですが、生前にお届けできなかったことが悔しくてなりません。私にとって鄭炳浩さんは心の支えでもありました。何かあれば相談できる、ソウルに行けば会える、と思う存在でした。
本当に、深く深く、ご冥福をお祈りいたします。いつまでもいつまでも忘れることのできない思い出になるでしょう。
2024.12.8.
尹健次