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人格を表すエピソード
- 稲盛和夫氏の人柄を示すエピソードとしてよく知られているのは、JAL(日本航空)の再建における彼の取り組みです。日本航空は、2009年に多額の負債を抱えて破産保護を申請するなど、経営陣悪化の中でした。稲盛氏は当時77歳でありながら、JAL再建のために無給で会長兼CEOに就任しました。
- 稲盛氏が何より大切にしていたのは、「経営の神髄は人間性にある」という考えであり、JALの従業員たちに対しても、愛情と思いやりを持って接していたと言われています。彼は全従業員に「集団無意識を変えることが大切」と語り、経営哲学を徹底的に浸透させます。
- 再建期間中、稲盛氏は無給だけでなく、出張費も一切請求せず、持ち前の倹約家ぶりを発揮して、自らの行動で従業員たちに改革の意義を示してきました。また、JAL再建後も収益の一部を社員に還元する制度を導入し、再建成功の喜びを全員で分かち合う姿勢を見せました。
哲学
稲盛和夫氏の哲学は、経営活動の根幹にも深く影響を与えています。彼の哲学は以下のような複数の要素から成り立っています。
1. 人間性の尊重
稲盛氏は、経営の神髄は人間性にあると考えています。「人間を尊重し、人間性を重んじることが、最終的には企業の発展と成功につながる」というのが彼の信念です。対人関係やビジネスにおいても、相手を尊重し、関わるすべての人に感謝の気持ちを忘れず、誠心誠意で対応することが大切とされています。
2. 創業精神の継承
稲盛氏は、「理想に燃える情熱」や「絶え間ない挑戦」を経営の基本的価値観として掲げています。創業時から変わらない原点を大切にし、常に現状に満足せずに変革と挑戦を続けることが組織の成長につながると信じています。
3. 客観的自己評価
彼は、「成功の秘訣は、自分自身を正確に評価すること」と言います。経営セオリーは、「顧客第一主義」や「人を大切にする」といった一般的な考えとは違い、「自分自身を客観的に見つめる能力」を大切にしています。このことにより、自己改革への道を切り開くと共に、企業が競争力を維持し続けられると主張しています。
社会貢献を真剣に行った人
- 1984年に財団法人稲盛財団を設立し、京都賞を創設し、ノーベル財団に特別賞を授与した。
- 母校の鹿児島大学に個人資産を寄付して、大学キャンパス内に新しいホール「稲盛会館」を寄贈したほか稲盛アカデミーへの援助を行う。
- また、地域社会はもとより国際社会において21世紀の更なる学術・文化の発展に貢献していくことを目的として、京都大学や九州大学の学術・文化の趣旨に賛同して「稲盛財団記念館」を寄贈した。
- その他、多方面へ多額の寄付を行っている。