息子〈哲也〉の父〈章宏〉への手紙
父さんへ
父さん、私は父さんの息子として生まれ、この静岡市で育ち、家族と共に生活できています。
優しく、温かく育ててくれて、今までありがとう。
可愛がってもらえている、愛してもらえているという実感の中で幼少期を過ごしました。
思いつくまま書いてみますね。
・寄り合い帰りにお土産寿司を買ってきてくれたね!父さん!美味しかった!
・一緒にキャッチボールしてくれてありがとう!父さん。
投げるの上手くない僕に笑いながら教えてくれたことが嬉しかった!
・一緒にお風呂入る時に「てつや!(白い)パンツ脱げ!」と、笑いながら日焼けしていない
僕の白いお尻を見ながら笑っていた父さん!面白かった!
・天ぷらあげている姿を見せてくれたバウやぶ福の時の父さん!
高校生の私から見ても、めちゃくちゃかっこよかった!
・大晦日に本店やバウやぶ福でがんばっていた父さん!大好きだった!
・草薙球場にプロ野球を観に連れて行ってくれ、てつや!ほら、オバキューだぞ!と、
大洋ホエールズの田代選手を教えてくれた父さん!楽しそうだった!
・石割さんや、団長さんみたいに後輩さんをかわいがっていた父さん!優しかった!
・ラーメン屋に連れていってくれた時に餃子を頼み、醤油とラー油を小皿に差して、父さん
はこう言った。「いいか、てつや、本当はな、、、餃子は醤油で食べるんだぞ」。はい、うち
の母さんは餃子をソースで食べてました。僕もそれで育っていたから、衝撃でした(笑)教
えてくれてありがとう、父さん。小声で教えてくれた所が母さんへの配慮が出てました
(笑)料理人なのに可愛いよね。
・台風が来た時に「てつや、安倍川を見に行くか!」って、楽しそうに話していた父さん!
今思えば能天気やな(笑)
・三保へ釣りに連れてくれていった時に水族館を裏口から入ってシレっと見学しましたね。
私は子供たちにそれは教えませんでしたよ(笑)
・いつも、笑ってました。いつも、よくお酒飲んでました!小学生の頃、ウイスキー、
しょっちゅう近所の酒屋(まつかぜ酒店)に母さんに言われておつかいで買いに行きまし
た!だから、サントリーのダルマ、僕は今、かなり頻繁に飲んでます、父さん!かんぱい!(笑)
父さん、いつかウイスキー一緒に飲もう、哲也51歳より。
孫〈菜央〉の祖父〈章宏〉への手紙(弔辞)
祖父北澤章宏の葬儀に際し、ここに謹んで哀悼の意を捧げます
本日お別れの言葉を伝えなくてはならないことを、いまだに実感できないでいます
じいじには、生まれた時からたくさん可愛がってもらいました
春にはドラえもんの映画、夏には清水の七夕祭り、秋には大道芸、冬には凧揚げなど、毎シーズンいろんな場所に遊びに連れて行ってくれましたね
おいしいお寿司を食べさせてくれたこと、お祭りでたくさん遊ばせてもらったこと、凧揚げのやり方を教えてもらったこと、釣りに連れて行ってもらったこと、じいじに遊んでもらったことがたくさんあってどれも大切な思い出です
中学に上がると、じいじの影響で吹奏楽を始めました
じいじがきっかけではじめた吹奏楽は私にとってかけがえのない経験と思い出になっています
吹奏楽の話をじいじから聞くのも好きでした
楽器を買ってくれてありがとう
ずっと大切にします
大学の演奏会のCDをたくさん聴いてくれていてとても嬉しかったよ
私が大人になって、帰省する時は楽しみにしてくれていたと聞いていました
帰ると私の体調を気にしてくれていたね
窓際に座って日向ぼっこしていたじいじがもういないのはとても寂しく感じます
じいじには、たくさんかわいがってもらって、たくさんの思い出があって、とても感謝しています
ほんとうにありがとう
これからもずっと祖父とのの大切な思い出を胸に生きていこうと思います
どうぞ、安らかにお眠りください