承継
軌跡

(幼少・学生時代)

郡山貯金局に勤める今井泉と紀惠の間に生まれる。父方の祖は和泉国伯太藩家老職を務めた今井家である。幼くして父が亡くなり、母は美容師として働いて息子を育てるが、5歳の時に母は再婚し[4]、伯母・美代(母の姉)夫婦の西田家に引き取られた[4][5]。養父・西田辰治の祖は薩摩藩として島津家に仕えた[5]。辰治は郡山市役所に勤めていたが、生活は厳しく、家族は神社の社務所に住んでいた[4]

少年時代は養父に連れられ映画館へ通い[4]、チャンバラ映画に熱中した。観る側より映画のスクリーンに映る自分の姿をぼんやり夢想していた。中学校に入り、演劇に興味を持つが、演劇部は女性部員ばかりで、当時、男子生徒の部活動といえば、スポーツが一般的だった風潮もあり、悶々とした3年間を過ごす。映画で「東京弁」に触れるうち、「俺このままずっとこの多感な時期こっちで暮らしていると、福島弁が染みついちゃって、もしかしたら標準語をしゃべれなくなっちゃうんじゃないか」との危機感を感じ始め[6]、演劇が好きでも福島弁でしか演じられない現状に自問し、標準語を習得したいと思い始め、両親を説得の上、中学卒業とともに上京した。